親の言動は子供の自己肯定感を大きく左右する!
自己肯定感を高くする育て方とは?

近年では大人だけでなく、子育てや教育の現場でも「自己肯定感」と言う言葉をよく耳にするようになりました。

自己肯定感を高めることで、自分に自信を持ち何事にも積極的に取り組めるようになります。

自分の子にもそんなふうに、育てたいと思う親御さんも多いのではないでしょうか?

この記事では、子供の自己肯定感の基礎知識と高め方を解説していきましょう。

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目次

子供の成長に欠かせない「自己肯定感」

自己肯定感は、大人だけでなく子供の成長にも欠かせないものです。

ここでは、なぜ子供にも自己肯定感が必要なのかを解説するとともに、日本と他国の子供の自己肯定感について比較してみましょう。

日本の子供の自己肯定感が海外に比べて低い原因

平成30(2018)年度に行われた「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」によると、自分自身に満足している人の割合は日本の若者で45.1%でした。

自分自身に満足している(13歳〜29歳を対象)

国名

そう思う

どちらかと言えばそう思う

どちらかといえばそう思わない

そう思わない

日本

10.4%

34.7%

30.8%

24.2%

韓国

36.3%

37.2%

18.2%

8.3%

アメリカ

57.9%

29.1%

8.8%

4.2%

イギリス

42.0%

38.1%

13.4%

6.6%

ドイツ

33.0%

48.8%

14.4%

3.8%

フランス

42.3%

43.5%

12.1%

2.2%

スウェーデン

30.8%

43.3%

19.5%

6.5%

世界各国と比較してみると、日本の若者がいかに、自己肯定感が低いかが分かります。

日本の若者の約半数は「今の自分に満足していない」のです。

なぜ、日本の子供の自己肯定感が低いのでしょうか?

その原因としては、日本の親の考え方が関係しています。

ベネッセコーポレーションが行った「子どもに期待する将来像」という調査で「人に迷惑をかけない人になってもらいたい」と答えた割合は、日本71%、韓国24.7%、中国4.9%、台湾25%でした。

日本の71%という数字の高さから見えてくるのは、日本の親が子供に対して「自分のことよりも周りの人のことを考えてほしい」という想いの強さです。

これは決して悪いことではありませんが、子供の自己肯定感を伸ばす個性よりも周りと同調することを優先しています。

その結果、日本の子供の自己肯定感が低さに繋がっているのではないかと感じています。

子供の自己肯定感が低いとどうなる?

子供の自己肯定感が低いと、どのような弊害が生まれるのでしょうか?

ここでは、自己肯定感の低い子供の特徴を解説しています。

自分の意見を言わない

自己肯定感の低い子供は、自信のなさから自分の意見を言いたがりません。

「私の意見は誰も聞きたがらない」「発言して失敗したくない」という考えから積極的に発言できないのです。

また、自分の考えがあっても周りの意見に流されやすく、同調してしまうという特徴があります。

この行動は、周りと同じ意見であれば「自分は発言しなくて良い」と安心できる心理が大きく影響しているでしょう。

新しいことにチャレンジできない・何事にも消極的になる

自己肯定感が低いと「自分は何をやっても上手くいかない」「チャレンジするだけ無駄」と何事にも消極的になります。

しかし、幼少期には新しい環境や初めて経験することばかりです。

そんな中で、チャレンジすることを恐れてしまうのは子供の成長を妨げてしまう原因にもなります。

また周りの大人が促しても、頑なに拒否するタイプの子供もいます。

すぐに諦めてしまう

自己肯定感が低いと何か新しいことにチャレンジできたとしても、すぐに諦めてしまう傾向があります。

自信のなさから一度の失敗で「やっぱり自分にはできない」「だから自分には無理だと思った」と、すぐに落ち込んでしまいます。

早い段階で諦めてしまうため、自己肯定感を高めるために必要な「成功体験」も得られないままです。

そのため、自己肯定感をさらに下げてしまうという悪循環に陥ります。

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親が子供にしてあげられる自己肯定感の高め方

子供の自己肯定感を高めるには、どうすれば良いのでしょうか?

ここでは、子供の自己肯定感を高めるために親ができる子供への接し方を解説します。

子供の話を最後まで聞く

相手のことを思いやって話を聞くことを「傾聴」と言います。

この傾聴は、子供の自己肯定感を大きく育ててくれるのです。

子供は「自分の話を真剣に聞いてもらえている!」と思うだけで自分は大切にされていると認識します。

つい忙しいと、ゆっくりと子供の話を聞かずに後回しにしたり、先回りして子供の言いたいことを要約したりしていませんか?

自己肯定感を意識する声かけよりも、まずは「傾聴」という態度で子供に時間を使い接してあげましょう。

無条件で褒めてあげる

親が子供を褒める時はどのような時でしょうか?

  • 頑張った時
  • 出来ないことができるようになった時
  • お手伝いをした時
  • 良い結果を出した時

子供を褒める時は、だいたいこのようなシーンですよね。

もちろん、子供のことを褒めることは大切ですが、これらのシーンは全て「条件つきでの褒め」です。

条件つきで褒められてばかりいると子供は「自分は頑張った時にしか褒められない、頑張らないと自分には価値がない」と認識するようになります。

子供の自己肯定感を高めるためには条件付きではなく「無条件の褒め」が必要です。

例えば、子供に次のような言葉をかけてあげてください。

  • あなたはそのままでいいよ
  • あなたがいてくれて幸せ
  • あなたらしいあなたが好きだよ
  • どんなあなたでも受け入れるよ

このような言葉は、相手を無条件に受け入れ子供を安心させる効果があります。

自分はそのままでも、十分に愛されている存在であることを子供に伝えてあげましょう。

叱るときは子供の人格ではなく「したこと」を叱る

子供を叱る時につい、以下のような言葉を使っていませんか?

  • だからあなたはダメなのよ
  • あなたには無理だって言ったでしょ?
  • あなたはどうしていつもそうなの?

この叱り方は、子供の行動ではなく人格そのものを否定してしまっています。

子供を叱るときは、人格ではなく「したこと」だけに注意しましょう。

例えば、子供が危険なことをした時は「あなたのしたことは、とても危ないからもうやらないでね」と叱る理由を伝えます。

そして、子供が行動を改めた時は、思い切り褒めてあげましょう。

他の子と比較しない

「あの子が出来ているのに、どうしてあなたには出来ないの?」

子供は、このように他の子と比較されてしまうと「自分は周りよりも劣っている」と思い込んでしまいます。

このように親が周りの子と比較する話し方をしていると、自己肯定感とは真逆の劣等感を高めてしまうのです。

ただ、自己肯定感を高める比較もあります。それは、過去の自分との比較です。

以前は出来なかったことを褒めることで、子供は自分の成長を認識することができるでしょう。

アイメッセージで子供に接する

アイメッセージとは”私”を主語にして、自分の意見や考えを相手に伝える言い方です。

例えば、子供を叱るとき「やめなさいっ!」ではなく「お母さん(私)あなたのことが心配だからやめて欲しいな」と伝えることで、子供の感じ方も変わってきます。

また、子供を褒めるときにも「〇〇してくれて助かるわ、ありがとう」と自分の気持ちを伝えるようにします。

こうすることで「自分は誰かの役に立っている」と感じ、子供の自己肯定感が育つのです。

まとめ

ここまで、子供の成長に欠かせない自己肯定感の高め方をお伝えしてきました。

子供の自己肯定感は、日頃の親とのコミュニケーションで高くも低くもなります。

今回、子供の自己肯定感を高めるさまざまな方法をお伝えしてきましたが、基本的なベースとなるのは、やはり「子供への愛情」です。

この記事をきっかけに、子供の話を聞く姿勢や接し方を振り返ってみてはいかがでしょうか?

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メンタルトレーニングの入門資格 ジュニアメンタルマイスター

43Labがサポートした数々のチーム・団体・企業・学校等へのメンタルトレーニングを経て作られた実践的な資格取得講座です。

この記事の作成について

監修:清水 利生

株式会社43Lab 代表取締役
著書:スポーツの本番に強くなる!「子どもメントレ」

1985年山梨県生まれ。
Fリーグでプロフットサル選手として
プレーする中でメンタルの重要性を知る。

引退後、取り組みが「結果」に
繋がらない人のサポートがしたいと思い
メンタルトレーナーに。



ジュビロ磐田、ヤマハモトクロスレーシング、
トヨタ車体クインシーズ、

中央大学駅伝ブロック、他多数チームの
メンタルトレーナーを務め、

過去500人を超える
日本のトップアスリート、

10,000人を超える子どもたちの
サポートを行い結果に繋げる。


日本サッカー協会主催
「こころのプロジェクトユメセン」の講師としても活動し、

子供たちの夢を持つ大切さ、
こころのサポートを行う。

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