リフレーミングとは?
物事の枠組みを変えてしまうフレームワークの効果

不安や悩み、コンプレックスを感じ、メンタルに不調を抱える方が増える中で、『リフレーミング』と呼ばれる手法が注目されています。

日常やビジネスシーンで活かせることができるフレームワークであるリフレーミングとはどのようなものなのか、詳しくご紹介します。

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目次

リフレーミングとは?

リフレーミングとは、NLPと呼ばれるコミュニケーション心理学の手法のひとつで、物事を見る角度を変えることによって、肯定的に捉える状態にすることを指しています。

自信をなくすこと、不満に感じること、嫌なことなどネガティブな事象も、別の枠組みから変換することによって、ポジティブに捉えられるようになります。

リフレーミングの代表例

リフレーミングの代表例として『コップに入った水』の話が語られるのを耳にしたという方は多いのではないでしょうか。

コップに水が半分入っている状態で、「半分しか入っていない」と捉えるか、「まだ半分残っている」と捉えるかによって、喜びや満足度は大きく異なることになります。

ポジティブシンキングとは違う

物事をポジティブに捉えるというと、『リフレーミング=ポジティブシンキング』のようなイメージをするのかもしれません。

物事を前向きに捉えるという点において似ている側面はあるものの、同じ考え方であるとは言えません。

ポジティブシンキングは物事をすべて前向きに捉える思考方法であるのに対し、リフレーミングはおかれている状況の枠組みを別の角度から見つめなおし、感じ方や解釈を変えてしまうというフレームワークです。

そのため、不満や不安、ストレスを感じているとしても、それを満足や喜びに変換できるのです。

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リフレーミングの5つの効果

リフレーミングによって、別の視点から物事を捉えられるようになると、次に掲げるようないくつかの効果をもたらしてくれることになります。

①モチベーションがアップする

今までとは異なる視点から捉えられるようになることから、ネガティブだった感情をポジティブに変換させ、モチベーションを高めることができます。

例えば自分の短所においても、捉える角度からは長所と見つめ直すことができますし、気になっていた他者の言動も、プラスに捉えられるようになります。

不安だったこともスキル向上に繋がると考えられ、失敗したことも大きな経験として捉えられ、次の行動に移しやすくなるのです。

②自分に自信を持てる

コンプレックスや失敗経験などによって、自分に自信がない状態のままでいると、新たな挑戦ができなくなってしまいます。

しかし、コンプレックスや失敗経験も長所の側面から見つめ直してみれば、人生にとってプラスになることも多いため、自分の自信へと繋がります。

特に自信のない人の特徴として、弱みばかりに着目して、強みが見いだせていないという傾向があります。

しかしその弱みも、リフレーミングすることによって、強みに変換でき自信が持てるようになるのです。

③苦手意識や不安を払拭できる

苦手意識を強く持っているために挑戦や行動ができないという人は多いですが、リフレーミングによって払拭させることも可能です。

苦手な事柄であっても、経験を積むための機会になれば次への行動につながりますし、失敗による不安があったとしても、完璧を目指さなくていいと考えれば行動に移しやすくなります。

どのようなことに対しても消極的になってしまう性格であるとしても、慎重に物事を進めていると捉えれば、結果につなげることもできるでしょう。

④失敗から多くのことを学べるようになる

挑戦することに不安を感じる人は、失敗が恐怖になってしまう傾向にありますが、何も行動に移さないままでは、成長することができません。

しかしリフレーミングによって、むしろ失敗をしても、そこから学ぶことがたくさんあると捉えることができれば、チャレンジできる自分に変革することができます。

⑤人間関係を改善できる

自分に対する批判や反対意見によって、人間関係が悪くなってしまうことがありますが、リフレーミングによって改善できるようになります。

批判や反対意見であるとしても、それらを別の角度から見てみれば、学ぶべき点や改善すべき点として捉えることができます。

そのような意見を述べる人に対して苦手意識を持っていたとしても、アドバイスとして受け止めるようになれば、人間関係も良好にできるのです。

リフレーミングにみられる3つの種類

リフレーミングには、大きく3つの種類に分けることができ、適切なシーンにおいて活用することによって、効果的に実践できるようになります。

①状況や事象に対するリフレーミング

自分の置かれている状況、現在生じている事象に対して、新たな枠組みで捉えるリフレーミングです。

例えば、仕事で失敗してしまった時に「経験を積むことができた」「次への糧となる」「新しいスキルを身につけよう」と捉えることができます。

②性格や悩みなど内面に対するリフレーミング

自分自身の性格や悩みなどといった内面に対して、どのように感じるか、枠組みを見直すリフレーミングです。

例えば、人見知りの性格に対して、相手に対する観察力や洞察力の高さと捉えることができますし、心配性の性格に対して、注意深く観察する力があると捉えることもできるでしょう。

③行動に対するリフレーミング

自分自身の行動や相手の行動に対して、行動の枠組みを見直すことや、行動を改める機会が得られるリフレーミングです。

例えば、つい癖のように行動したことが、良くない結果を生み出した場合、その行動を見直すことによって成功の要因に繋げられます。

リフレーミングの6つの手法

リフレーミングには6つの手法があり、それらの手法を活用することによって、効果的にポジティブに捉えられるようになります。

①言葉の意味・定義をリフレーミングする

言葉の意味や定義には必ず表と裏があり、それらを変化させることによって、行き詰まっている思考を切り開くことに繋げられます。

例えば、

神経質は『目が行き届く』

臆病は『慎重』『リスクマネージメント能力の高さ』

飽き性は『行動力の高さ』『決断力に優れている』

といった捉え方ができます。

②もし、だったら(As IF)とリフレーミングする

どれだけ考えても、良いアイデアが浮かばないような時に「もし、・・・だったら」といった仮説によって、新しい発想に繋げられます。

例えば、

「もし、上司だったらどう行動するか」

「もし、うまくいったらどんな影響が与えられるか」

などと立場や状況を変えて考えることによって、新しいアイデアを広げられます。

③時間の軸でリフレーミングする

今起きている状況や事象から将来を見つめること、未来から遡って現在を見つめることなど、現在や過去、未来といった時間の軸で発想を想像する手法です。

例えば、

「今やっていることは将来的にどのような価値があるだろう」

「過去の過ちは、二度とおかさないようにすればいい」

「やりたい仕事のために、今はこれを勉強するべきだ」

といった考え方の転換によって、スムーズに行動に移すことができます。

④Want(どうしたいのか)でリフレーミングする

不安や悩みがあると「どうしよう」と考えがちですが、そのようなシーンで「どうしたいのか」認識することによって、解決策を見出せます。

例えば、

人間関係の悩みに対し「どうしたいのか」自身に問いかけてみることによって、「また仲良くなりたい」という気持ちを引き出します。

仲良くなりたいという気持ちがあるなら、そのために何をすればいいのか問いかけることによって、解決策に導けるのです。

⑤解体してリフレーミングする

「忙しくてイライラする」「あの人とうまくいかない」といった、短絡的でさまざまな要因が考えられるような事象に対しては、物事を解体してリフレーミングする手法が有効です。

5W1Hの視点によって「いつ」「どこで」「だれが」「何を」「なぜ」「どのように」と解体してみれば、頭の中を整理できるようになります。

⑥リフレーミングノートを活用する

リフレーミングノートとは、ノートを活用してリフレーミングする方法で、自分の悩みや欠点、嫌だと感じていることを書き出し、さらに視点を変えて書いていきます。

ノートの左側に悩みや欠点、相手の嫌な点などを思いつくままリストアップし、その右側にそれらを別の言葉にして置き換えてみます。

自分の思考を文字にすることによって整理でき、置き換えていくごとに客観的に捉えられるようになり、ポジティブな思考力が養われます。

リフレーミングを活用するビジネスシーン

リフレーミングを実際に活用しているビジネスシーンについてご紹介していきましょう。

①指導や育成

ビジネスシーンにおいては、部下に対して指導や育成を行わねばなりませんが、リフレーミングを取り入れることによって、適切な指摘とともにポジティブなアドバイスを行うこともできます。

例えば、「失敗は次に活かせばいい」「できない部分は、改善すれば伸びる」などと、指摘や注意だけではなく、枠組みを転換して成長に繋がる声かけが可能です。

②市場調査

マーケティングにおいて市場調査を行うような場合には、リフレーミングを活用して、他社の商品やサービスの枠組みを変えることができます。

例えば「競合他社が多い低価格帯ではなく、品質を高めて高価格帯で勝負する」などと、市場の枠組みを見直すことによって、価値を見いだすことができるようになります。

③商品やサービスの開発

新たな商品やサービスを開発する際にリフレーミングを活用すれば、今までになかった機能を取り入れ、アイデアを活かすことができます。

今までとは違った視点で見つめることができれば、「もしこんなサービスがあれば」「顧客にとってはこのような機能があれば嬉しいのでは」などと多角的に物事が見られるようになります。

リフレーミングを実践するときの4つのポイント

リフレーミングを実践するときには、いくつかのポイントがあります。

①理解や共感、尊重の気持ちで

他社に対してリフレーミングを行う際には、相手の気持ちを理解して、共感する姿勢を持ち、立場を尊重することによって、成長や改善に繋げられます。

枠組みや視点を変化させてポジティブな言葉を投げかけたとしても、リフレーミングが成り立つことはありません。

相手に伝えたい気持ちだけではなく、その発言によって相手にどのような影響があるのか意識して取り組むことが大切です。

②継続や習慣が大切

リフレーミングは技術ですから継続的なトレーニングが大切で、習慣化させることによって、新しい考え方を定着できるようになります。

特に思考の偏りや癖は、一朝一夕で改善できるものではありません。

日常的に意識して取り入れることによって、少しずつステップアップさせることができ、自然なものとなるのです。

③リフレーミング辞典や一覧でリフレーミングノートを作成する

インターネットにおいて『リフレーミング 辞典』『リフレーミング 一覧』と検索してみると、リフレーミングノートに記載できる、おすすめのリフレーミングの言葉を調べることができます。

リフレーミングノートについては上記でもお伝え致しましたが、ノートの左側に悩みや欠点などをリストアップし、その右側にリフレーミングの言葉を記載していきます。

例えば、左側に『飽きっぽい』と記載すれば、右側には『好奇心旺盛』『興味が広い』、左側に『いい加減』と書けば、右側に『こだわらない』『おおらか』と書くことができます。

物事を客観的に捉えるようになり、ポジティブな思考力が定着するようになります。

④リフレーミングスキルを向上させる取り組み

上記でもお伝えした通り、リフレーミングは技術であることから、継続や習慣化が大事であり、特にビジネスシーンにおいては研修を活用すると良いでしょう。

外部での集合研修やオンライン研修などが実施されており、長所を見いだし自信をつけることができるようになります。

まとめ

物事の枠組みを変化させ、視点を変えることによって自分をコントロールできるようになるフレームワーク『リフレーミング』についてご紹介しました。

固定的な考え方を改めることができ、幅広い視点で思考できる能力を養える技術ですから、日常だけではなくビジネスにも応用できます。

ぜひ記事を参考にして、取り組んでみてください。

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43Labがサポートした数々のチーム・団体・企業・学校等へのメンタルトレーニングを経て作られた実践的な資格取得講座です。

この記事の作成について

監修:清水 利生

株式会社43Lab 代表取締役
著書:スポーツの本番に強くなる!「子どもメントレ」

1985年山梨県生まれ。
Fリーグでプロフットサル選手として
プレーする中でメンタルの重要性を知る。

引退後、取り組みが「結果」に
繋がらない人のサポートがしたいと思い
メンタルトレーナーに。



ジュビロ磐田、ヤマハモトクロスレーシング、
トヨタ車体クインシーズ、

中央大学駅伝ブロック、他多数チームの
メンタルトレーナーを務め、

過去500人を超える
日本のトップアスリート、

10,000人を超える子どもたちの
サポートを行い結果に繋げる。


日本サッカー協会主催
「こころのプロジェクトユメセン」の講師としても活動し、

子供たちの夢を持つ大切さ、
こころのサポートを行う。

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