マインドフルネスとは?ビジネスで注目される理由や効果、
エビデンス、やり方について説明!
マインドフルネス(mindfulness)とは、現在起きていることに集中し、過去や未来についての考えや判断をせずに、ただ受け入れることを意味する心の状態です。
仏教に根付いた瞑想の一種であり、20世紀に入ってから西洋にも広まり、臨床心理学と精神医学の分野においても使用されています。
さらには、Googleをはじめ、さまざまな企業において社内研修で取り入れられるようになり、注目を集めるとともに、その成果についても語られるようになりました。
そこでここでは、マインドフルネスの特徴とともに、効果やその根拠、やり方などについて詳しくご紹介していきます。
マインドフルネスとは?
マインドフルネスとは、過去や未来について考えたり判断したりせず、現在起きていることをただ受け入れることを意味する心の状態を指しています。
静かな場所に座り、目を閉じ、呼吸や体の感覚、周りの音や香りなどに集中し、自分の感覚、感情、思考に焦点を当てていく特徴を持っています。
マインドフルネスとは何か、その歴史と起源、そして日常生活でどのように実践できるかを説明します。
マインドフルネスの歴史と起源
マインドフルネスは、仏教の瞑想法に由来する実践であり、その起源は紀元前2500年ごろのインドにまで遡ります。古代インドでは、「サティ」という言葉で表され、仏教哲学の基礎として広く受け入れられていました。
近代的なマインドフルネスの普及は、1979年にジョン・カバット=ジンによって開発されたストレス軽減プログラム(MBSR)がきっかけでした。カバット=ジンは、慢性疼痛やストレス、不安、うつ病などの症状を和らげるための瞑想プログラムを開発し、MBSRとして知られるようになりました。
その後、マインドフルネスは、認知行動療法やストレスマネジメントの分野で広く採用されるようになりました。
現在、マインドフルネスは、瞑想やストレッチング、呼吸法、身体感覚の練習など、様々な実践法があり、ストレスや不安を軽減するだけでなく、生産性やクリエイティビティを高めるための有効なツールとして、ビジネス界でも注目されています。
マインドフルネスの目標
マインドフルネスの目標は、今この瞬間に、自分の体験に気づき、存在することです。
自分の経験を判断したり、直そうとしたりすることなく、自分の思考や感情を意識し、それを「気づき」によって認識することになります。
マインドフルネスは、静かな場所で座って目を閉じ、呼吸や体の感覚、周りの音や香りなどに集中して行います。
不安な気持ちや心配ごと、悩みなどを瞑想によって鎮め、今に集中して心に浮かんでくる思考や感情をただ受け入れ、評価や判断をせずに、そのまま流れていくのを観察します。
日常生活の中でも実践でき、瞑想に集中することで不安やストレスを解放させ、ストレスを軽減することができます。
マインドフルネスがビジネスで注目される理由
労働人口が減少する日本では、業務効率や生産性の向上、多様な働き方への対応、人材の確保策、従業員のメンタルヘルス問題など、企業が抱える課題は多岐にわたります。
どの企業においても抱える問題を解決するため、Googleではマインドフルネスメソッドを開発し、大きな成果をあげていると注目されています。
マインドフルネスは、メンタルヘルスへの意識を高め、職場のパフォーマンスと生産性を向上させ、個人のパフォーマンス向上、モチベーション維持、新たな価値創造に役立つと期待されています。
従業員と雇用者の双方に幅広いメリットをもたらし、より協力的で前向きな職場環境を構築することができます。
そのため、企業にとっては、マインドフルネスの実践を職場文化に取り入れ、継続的に実践していくことが不可欠であると言えるでしょう。
マインドフルネスが従業員と雇用主にもたらすメリット
マインドフルネスには、さまざまな効果があり、ストレスや疲労を軽減し、集中力を高め、感情を調整し、人間関係を改善することが分かっています。
特にビジネスシーンでは、マインドフルネスを行うことで、従業員の仕事の効率化、メンタルヘルスの問題による欠勤の減少、充実感やエンゲージメントの向上が期待できます。
さらに、雇用主にとってのメリットとしては、生産性の向上、チームの協力関係の改善、より革新的なアイデア、問題解決能力の向上、ストレスに関連する健康リスクの低減などが挙げられます。
また、マインドフルネスは、仕事のパフォーマンスの向上やワーキングメモリーの向上とも関連があるとされています。
従業員のメンタルヘルス意識向上と人材確保
マインドフルネスを職場に取り入れることで、従業員を第一に考える職場風土をつくることができます。
メンタルヘルスに対する意識を高め、雇用主が個人のニーズに応じて戦略を立てることができるようになります。
さらに、マインドフルネスは、従業員が自分の感情を管理し、より良い人間関係を築き、健康的にストレスに対処し、幸福のためのスキルを開発するのに役立ちます。
これにより、協力的で前向きな環境を確保することができ、採用や人材確保の改善につなげることができるのです。
マインドフルネスがもたらすメンタルヘルスの効果
マインドフルネスは、現在、メンタルヘルスを向上させる効果的な手段として注目されており、その効果を裏付ける科学的根拠があります。
集中力の向上からストレスや不安の緩和まで、メンタルヘルスのさまざまな側面に良い影響を与えることが研究により明らかになっています。
マインドフルネスがもたらすメンタルヘルスの効果とは
マインドフルネスとは、今この瞬間に意識を向けることに焦点をあてた瞑想の一種です。
判断せずに自分の考えや感情を観察し受け入れること、コントロールしたり変えたりしようとせずに感情や思考を受け入れること、物理的な環境に意識を向けることなどが含まれます。
心の健康とウェルビーイングを促進する効果があることはすでに研究により実証され、ストレスを軽減し、自尊心と達成感を促進し、より健康的な人間関係を育むことによって、人の幸福度を高めることができるとされています。
マインドフルネスによる集中力の向上効果
マインドフルネスの主な利点の1つは、集中力の向上効果です。
マインドフルネスを定期的に実践することで、より簡単に、『今』に集中できるようになることが分かっています。
さらに、集中力を妨げるような思考の発生を抑えることができます。
マインドフルネスの実践によって達成された集中力の向上は、長時間の注意が必要な作業への取り組みを容易にすることができるのです。
マインドフルネスによる自己認識能力
マインドフルネスの実践により、自分の内面の考えや感情に気づき、理解を深めることができるようになります。
今を意識することで自己認識力が高まり、困難だと感じていた感情もコントロールでき、対応することができるようになるのです。
また、この自己認識の向上は、自分の目標に気づき、その目標に到達するために何をすべきかを明確にできますので、仕事のパフォーマンス向上にも役立ちます。
自分自身を受け入れ、より大きな自己充足感を得るための素晴らしいツールになります。
マインドフルネスによる自己管理能力
マインドフルネスの実践は、自己管理能力を高める効果もあります。
現在に意識を向けることで、人は感情的な反応や衝動をうまくコントロールできるようになり、より良い判断ができるようになります。
また、自分の感情の状態や他人の感情をより意識することで、より良い関係を構築するのに役立ち、より効果的に企業の労働力を安定させることができるのです。
マインドフルネスの有効性を示す3つのエビデンス
マインドフルネスは科学的研究により、身体的、精神的、感情的なさまざまな利点があることが証明されています。
具体的には、海馬の増大と扁桃体の縮小、脳内神経活動の活発化、心理的ストレスの軽減による身体症状の変化が報告されています。
海馬の増大、扁桃体の縮小
マインドフルネスの効果として示されているものの一つに、瞑想を長期間実践した人は、そうでない人に比べて脳の体積に変化が見られたというものがあります。
実行機能や認知機能、感情の調節、学習を司る領域である、海馬の大きさが平均的に増加したことが明らかになっています。
さらに、不安や緊張、恐怖、怒りなどを感じた時に神経系に伝達をする働きがある扁桃体が縮小したと報告されています。
このことから、定期的にマインドフルネスに取り込むことによって、うまく感情を抑制することができ、認知・機能的スキルの向上に繋げられるのです。
脳内神経活動の活発化
マインドフルネスによる瞑想後のMRIでの検証において、脳神経活動が活発化し、良い影響を与えていることが分かっています。
今この瞬間に意識を向けることに集中することによって、経験に関する神経活動が活発化し、過去や未来に関する不安や恐怖などといった空想に関する神経活動が低下します。
心理的ストレスの軽減
さらに、マインドフルネスによる瞑想をした人は心理的ストレスが減少していたことが示されています。
頭痛や筋肉の緊張といったストレスの身体的症状だけでなく、不安や心配、気分の落ち込みといったストレスの心理的症状も少なくなったと報告されています。
マインドフルネス瞑想のやり方
マインドフルネスは、日常生活の中で実践することができ、私たちの心と身体の健康に大きな影響を与えることができます。
継続的に取り組むことによって、少しずつ自分の考えや感情に気づくことができ、ストレスを軽減し、集中力を高めることができます。
また、マインドフルネスを実践することで、日々の生活で行う決断をより意識することができ、その結果、より有意義な交流や人間関係を築くことができます。
マインドフルネス瞑想を継続することの重要性
マインドフルネス瞑想は継続して練習に取り組むことで、毎日数分間、呼吸や体内の感覚に集中するマインドフルネス瞑想を習慣化することが大切です。
忙しい毎日や、気が散ることの多い生活では、なかなか難しいことかもしれませんが、時間を決めて瞑想することをおすすめします。
睡眠が優先される就寝時間に近すぎない時間を選び、さらには気が散らない、快適な場所を選ぶことも効果的です。
呼吸を整える
マインドフルネスを実践するには、静かな場所に座り、背筋を伸ばして軽く目を閉じて呼吸を整えていきます。
普段通りの呼吸を意識するといいでしょう。
呼吸に集中する
呼吸を整えることができたら、自分の呼吸に意識を集中させていきます。呼吸に意識を向けることで、体の緊張を和らげ、不要な思考を解放することができます。
ただし、仕事やプライベート、不安な事など、頭によぎることは無理にやめる必要はなく、そのような思考があると軽く留めておくといいでしょう。
自分の心の状態を把握する
自分の呼吸に意識を集中させることによって、自分の心の状態を把握します。
仕事に対する不安な気持ち、人間関係によるイライラ、嬉しさのあまり行った行動など、どのような考えや感情が湧いたか、瞑想中に何か感覚があったか、などに注目します。
そのように着目することによって、今の自分の状態について、より深く知ることができますので、意識の外に流していくようにします。
まとめ
マインドフルネスは、仏教の瞑想法に由来する実践であり、その起源は古代インドにまで遡ります。近代的なマインドフルネスの普及は、ジョン・カバット=ジンによって開発されたストレス軽減プログラム(MBSR)がきっかけでした。
カバット=ジンは、瞑想プログラムを開発し、慢性疼痛やストレス、不安、うつ病などの症状を和らげるために使用しました。その後、マインドフルネスは、認知行動療法やストレスマネジメントの分野で広く採用されるようになりました。
現在、マインドフルネスは、瞑想やストレッチング、呼吸法、身体感覚の練習など、様々な実践法があります。マインドフルネスを実践することで、ストレスや不安を軽減するだけでなく、生産性やクリエイティビティを高めることができます。
マインドフルネスは、ビジネス界でも注目されており、リーダーシップやチームビルディングにも使用されます。
研究によると、マインドフルネスの実践は、ストレス、不安、うつ病、血圧、免疫機能の改善、認知能力の向上、創造性やアイデア発想の改善などに効果的であることが示されています。マインドフルネスの実践法は、日常生活において簡単に実践することができます。例えば、簡単な呼吸法やストレッチング、瞑想などがあります。
マインドフルネスは、自己啓発やメンタルヘルスの向上に役立つ実践法であり、ビジネスにおいても非常に有効です。
マインドフルネスを実践することで、より集中力を高め、ストレスを軽減し、クリエイティブなアイデアを生み出すことができます。
ビジネスパーソンにとって、日常的なストレスやプレッシャーに対処するための手段として、マインドフルネスを取り入れることは非常に重要です。
ぜひ皆さんも実践してみてください。
子供たちの 自己肯定感 を高める
メンタルトレーニングの入門資格 ジュニアメンタルマイスター
この記事の作成について
監修:清水 利生
株式会社43Lab 代表取締役
著書:スポーツの本番に強くなる!「子どもメントレ」
1985年山梨県生まれ。
Fリーグでプロフットサル選手として
プレーする中でメンタルの重要性を知る。
引退後、取り組みが「結果」に
繋がらない人のサポートがしたいと思い
メンタルトレーナーに。
ジュビロ磐田、ヤマハモトクロスレーシング、
トヨタ車体クインシーズ、
中央大学駅伝ブロック、他多数チームの
メンタルトレーナーを務め、
過去500人を超える
日本のトップアスリート、
10,000人を超える子どもたちの
サポートを行い結果に繋げる。
日本サッカー協会主催
「こころのプロジェクトユメセン」の講師としても活動し、
子供たちの夢を持つ大切さ、
こころのサポートを行う。